「リンゴ畑のマーティン・ピピン」エリナ・ファージョン作、
の読書会に行ってきた。
全く初めて読む作品で、エリナ・ファージョンの事も名前くらいしか知らなかった。
それでも参加してみたのは、「リンゴ畑のマーティン・ピピン」というタイトルに惹かれたからであった。
軽い気持ちで出席申し込みをして、図書館からこの本を借りてきて驚いた。
分厚いのなんのその。500ページを超える大作である。

青ざめたが、何とかなる、と思い読み進めようとしたが、まあなかなか読み進められない。大苦戦した。
文章は夢のように美しい、世界観も基本的好みだ、しかし読みづらい、なんと読みづらいこと、なかなか話が頭に入ってこない。状況を理解するのに、同じ箇所を何度も読み返したりした。
唸りながら呻きながら、目が滑りながら、所々読み飛ばしながら読み終えた。
話しの筋を理解するのが容易でなかった。
大格闘、大乱闘のような読書スタイルになってしまった。
もっと優雅に読みたかった。読了後、目を閉じ深い物思いにふけりたかった。
美しい話なのに、心が豊かに心身共に考えさせられる本なのに、まだ私には読みこなす度量がなかったようだ。
読書会では一体何を語ればいいのだろう?
こんな状態で読書会に参加するのは、正直気が重かったが、とりあえず会場に足を運んだ。

2名の司会者と5名の参加者で読書会は始まった。
皆さん、とにかく素晴らしかった。圧倒された。
地域文庫主催者、小学校でお話し会をされている方、又はこの主催組織でのお話し講習会を卒業された方、ここと、とても馴染みのかる方、等とにかく知識経験が生半可ではない。この道一筋にまい進されてきた方々ばかりだ。
「リンゴ畑のマーティン・ピピン」から話は始まり、話は縦横無尽に飛び交う。
中からほとばしる言葉の美しさについて語る方。
そして翻訳した石井桃子さんのたくさんのエピソード。石井桃子さんの翻訳にかける情熱について。
物語の舞台、サセックス訪問時のエピソード、
石井さんとファージョンの交流エピソード、実際やり取りした本物の手紙。
そして、今回の出席者に、昔実際にこのサセックス・物語の地を旅した方がいて、
その時の写真付きの資料を見せてくださった。
又、この物語は、日本において同じような作品はあるのだろうか?→少女漫画がそれに位置するのでは?大島弓子がそれに該当するのでは?
等々、もうひたすら皆さんの話を追いながら、頭の中に入れるだけで精一杯であった。
司会者の方が、私にも話を振ってくださったが、実のあることは口から出すことは出来なかった。とりあえず、今自分が思っていたことを少々話したのみ。それが今の自分にできる精一杯のことだった。
ああ、もっといろいろ読んで感性を磨き、思考を深めたい、語彙を増やしたい。
実感痛感させられた。それがわかっただけでも、この読書会に参加して良かった。
それに、この雰囲気はとても好きだ。司会者・参加者の持つ感性・佇まいが、何か空気感が性に合っている、しっくり来る。
石井桃子さんの書斎を見学した時も、読書会後のお茶会でも、何か自然でいられる自分がいた。
たくさん本を読もう、石井桃子さん訳の本、そしてイギリス児童文学他についてももっと知りたい、読みたい、その奥深さに触れたい。
今までにない世界に触れられて良かった、そんな日でした。