ポロンポロロン♪♪
ん?あれは、あれはハープの音色だ、
しかもアイリッシュハープの音色。
ちょうど病院で検査を受けている最中のこと、
聞き覚えのある音色が聴こえてきた。
検査室を出ると、待っていた夫は言った。
「アイリッシュハープの演奏が行われているよ」
足早に、音色のする方へ向かった。
ポロンポロロン♪♪
ああ、やっぱりそうだ、アイリッシュハープ!
しかも私の持っているハープと全く同じもの。
そう、青山ハープのそれだ。
そう言えば、時折病院でミニコンサートが開かれていると、
お知らせで見たことがあった。
今日がその日だったとは。
しかもアイリッシュハープとピアノの二重奏だなんて!
ポロンポロロン♪♪
ハープの音色が一気に脳髄にまで響き渡る。
あぁ、なんて心地良い音色。
音色が全身に染み渡っていくようだ。
ただ、じっと見つめつつ、一心に聴き入った。
私がアイリッシュハープを習い始めたのは、
社会人になって数年目の頃だっただろうか。
あるアイルランドのイベントで、
アイリッシュハープの演奏を聴いたことがきっかけであった。
一瞬で、その音色にハートが鷲づかみにされた。
アイリッシュハープの虜になったのである。
すぐさまアイリッシュハープを習おうと、その場で即決した。
楽器の値段は、当時の私のお給料約1ヶ月分。
月謝も充分予算の範囲内だった。
レッスン室で、アイリッシュハープの弦を初めて弾いた時の
あのときめきと言ったら!
まさに天使の音色そのものだった。
こんな音色を自分の指で奏でられるなんて!
無我夢中でレッスンに励んだ。
どんどん上達していった。
発表会にも何回か出た。
アイリッシュハープは、私の生活の一部であった。
自分の結婚式に、
ウェディングドレス姿でハープを演奏することもできた。
「いつも何度でも」
「星に願いを」
ウェディングドレス姿でハープの演奏よ!
そして、髪には白いバラの生花が!
最高の思い出だわ。笑
結婚後もハープは続けていたが、やがて娘が生まれた。
育児中心の生活になり、ハープの生活から遠のくことになった。
でも、娘との日々はそれは充実し、幸せ一杯だったから、
ハープから遠のいても全く気にならなかった。
育児が落ち着いたら、いつかは再開〜、なんて
ぼんやり考えたこともあった。
そうこうして、娘の中学受験も終わり一段落し始めた。
その後、私の病気・母の旅立ちなどいろいろあった。
私の病気治療は、現在も継続中である。
薬の副作用で爪がだいぶ弱くなった。
ハープは指先で弦を弾くので、爪が弱っていると演奏は難しい。
弾くことは難しいかなあ、と漠然と思っていたが、
今こうしてハープを聴いているうちに、
また弾きたいという思いが、ムクムクと頭をもたげてきた。
弾きたい。また弾きたい。
この柔らかな音色。全身に染み渡るようなこの弦の響き。
空気を伝わって全五感に訴えてくるこの音色。
また自分でこの音色を奏でられるのなら、
どんなに素敵なことだろう。
ポロンポロロン♪♪
ただ、ひたすら心地良い音色に身を任せて聴き入る。
今日、ここで再びアイリッシュハープに出会えたのも、
きっと何かのご縁だろう。
神様から、
「早く弾きなさい。元気になって弾きなさい」
とのお告げを受けているかのような……。
ポロンポロロン♪♪
演奏が終わった。
この時聴いていたのは夫と私だけ。
目一杯拍手をした。
「ありがとうございました。素敵な演奏でした」
との感謝の意を示し、その場を後にした。
帰宅後、我がアイリッシュハープの元に行ってみた。
部屋の片隅にひっそりと佇んでいるマイハープ。
雑事に追われる日々の中で、つい忘れがちだが、
それでもマイハープは、静かに存在し続けていてくれる。
私がまた弾きたいと、カバーを開ければ、「どうぞ」と、
いつでもその胸を貸してくれるだろう。
「もう少し、もう少ししたらきっと弾けるから、
その時はよろしくね」、と。
そっとマイハープをなでてみた。
よし、爪を始めとした心身の強化にも取り組もう!
目標!
結婚式の時と同じ曲を弾けるようになること!
さすがにウェディングドレスはサイズアウトして、
身には付けられないが(笑)
曲はまた弾けるようになるだろう。
何しろあの時、山ほど練習した大好きな曲なのだから。
早く弾きた〜い♪
ポロンポロロン♪♪
イメージ画像(生成AI作成)
※【お断り】 あくまでもイメージです(笑)

参考曲①「いつも何度でも」
参考曲②「星に願いを」