さあ、恒例!今日の朝ドラ「風、薫る」 第73話の
愛ある感想
トヨの容体急変とそれに伴う直美、りんの看護への問いは…
【トヨの旅立ちと、直美の後悔】
長屋のトヨの急な容態悪化に、駆け付ける直美とりん。
もう長くはない状態だと悟る直美。
トヨの口に水を含ませる直美。
トヨの手を握って声をかける直美。
トヨの足を揉む丸山。
「トヨさん、皆いるよ」
「直美ちゃん、いい人に出会ったねえ」
直美、キク、大家の嘉平、丸山たちと言葉を交わすトヨ。
そしてそっと旅立った。
直美は後悔をしている。
「なんも、出来なかった…。
入院して薬をもらえたら、医者に診てもらえたら
もっと長生きを出来たかもしれない」と。
しかし、大家の嘉平は
「住み慣れた長屋で、皆に見守られてあの世にいけたんだ。
大往生だ」
ツネ
「あたしも…こんな風に逝ってみたいね、直美ちゃん」
嘉平
「ありがとね、直美ちゃん」
トヨの親しい人々は、トヨの大往生に納得して、
駆け付けて看護をしてくれた直美に感謝している。
トヨは安らぎの中で満足をして、幸せな旅立ちが出来た。
直美はトヨに病院で診てもらい、もっと長生きをして欲しかった。
皆、考え方はそれぞれ違う。
その人に、よりよく幸せでいて欲しい、
または生きていて欲しい、と。
どれもが正解であり、しかし正解は一つではないと…。
以下のやり取りでは、直美の正直な気持ちが表れている。
【正解はない。それぞれの「命」への想い】
助手の黒川に呼び出された直美。
黒川は、りんの様子を尋ねる。
「休ませないとは、院長も酷なことをするね」
黒川は、りんのことを気遣いながら、遠回しに、
今後のりんの厳しいであろう処遇について、匂わせる。
そして、
「何が正しかったかなんて、山本さんに聞いてみないとわからない。
あのまま病室の天井を眺めながら、一人で死ぬ可能性もあった」
直美は言う、
「つい最近、私の親しい人も亡くなりました。
家で看取られて良かった、という人もいるけれど、
私は…、彼女に病院で治療を受けさせたかった」
黒川の見解は、りんにとって救いとなる言葉である。
そして、前話(第72話)で、
山本さんの主治医である今井は、こう述べていた。
「君は、医者の判断より患者の気持ちに従った。
医療に携わる者として失格だ」
「命を助ける事を何よりも優先させなくてはならない」
「……だが、私がもし患者なら…、命より重んじるものが
あると言う考えは否定しない。
あるいは君の患者の友人なら、わからなくはない」
患者本人、家族、医師、助手、看護婦、
皆、それぞれの立場から、それぞれの意見を持っている。
一つの意見にまとめ上げることは出来ないだろう。
山本さんは、死の間際に「助けて」と、
もっと生きたいと願った。
しかし、その前夜に妻と過ごせたこと、
その時は間違いなく幸せであった。
予想より早かった死。
ひと時の幸福と、直後に訪れた死と対峙しなければならなかった
山本さんと、妻の悲しみ。
あるいは黒川の言うように、妻に別れを言えぬまま
一人でベッドで旅立っていった可能性もある。
正解は、ない...。
ただ、それでも最善を尽くすため、
模索しながらでも前進をしていくのだろう。
【震える手と包帯。りんが見つけた少しの光...】
看護婦控室で、
直美の腕を借りて、包帯を巻く練習をするりん。
心に傷を負っているりんは、なかなかうまく巻けなくなっていた。
「ゆっくりでいいよ、ゆっくり息を吐いて」
「難しいね」
包帯を巻きながら、
りん、直美は、
「看護とは?」
考えてもわからない、正解のない答えを探しながら、
自問自答しながら、進んで行くに違いない。
ようやく包帯が巻けて、涙ぐみながらも笑顔が出るりん。
包帯が巻けたこと、これが出口の糸口になることを願って...。
第74話の記事はこちらから。
昨日、第72話の記事はこちらから。
第65話の記事はこちらから。
医療現場の考察について。