僕は炊飯器。
ハイビスカスさんファミリーの家で、毎日ご飯を炊いている。
麦ごはん、炊き込みご飯、普通の白飯、
毎日毎日炊いてたよ。
でもね、ある日のこと。
突然、僕はご飯が炊けなくなった。
理由はわからない。
何度押しても、ウンともスンともしない。
パパさんが、僕のことをあれこれいじって、
何とか蘇らせようとしてくれたんだよ。
でも、どうしても無理、
パパさん、首をかしげながら
腑に落ちなさそうだった。
ついに、新しい炊飯器を購入する事になったようだった。
当然だよね、ご飯が炊けないなら
新しい炊飯器を買うしかない。
ご飯が炊けない僕を、置いておく法なんてないもんね。
わかってはいたけれど、やっぱり悲しくなった。
涙がポロポロこぼれた。
毎日毎日、頑張ってご飯を炊いたんだけどな。
どうして動かないのかな、自分でもわからないよ。
出来ることなら、またご飯を炊いて
皆に食べさせてあげたいなあ。
やっぱりもうダメなのかな、僕は。
新しい炊飯器が来るまでの数日間、
ママさんは、お鍋でご飯を炊いているようだった。
ちなみにママさんのお鍋奮闘記はこちら
パパさんは、時折僕の所にやって来て、
何度かスイッチを押したりしてくれていたんだ。
相変わらず、僕は動けなかったんだけれどね。
天の神様、お願いします。
出来ることなら、もう一度僕にチャンスをください。
そうしたならば、僕はとびっきり美味しいご飯を炊くよ。
そう、お鍋で炊いたご飯に負けないくらいに。
僕はご飯を炊きたい!
このおうちでご飯を炊き続けたいよ!
そして、ついに新しい炊飯器がやって来た。
大きな段ボール箱が、僕の近くに鎮座している。
あぁもうダメだ、ついにお終いだ。サヨウナラ。
その時、パパさんが僕の所にやって来た。
蓋を閉じて、スイッチを押したんだ。
僕は目を閉じて、あらん限りの力を振り絞った。
「エイ!動け、動くんだ、お願い、動けー!」
カチ。
カチャン。………。あ……。
動いた、スイッチが入った、
炊ける、ご飯が炊けるよ!
僕は叫んだ。
「ご飯を炊いて!」
パパさんは、試しに1合のご飯を入れた。
そして、スイッチオン!
僕は動いた、とにかく動いて動いて、
全身全力で、ご飯を炊くことに全神経を注いだ。
いつものご飯を炊く時間は、74分間。
僕は炊いた。
ほら、見てよ、いつも通りに炊けるよ。
涙を流しながら炊いた。
74分後、出来上がりの音を出した。
パパさんが蓋を開け、覗き込んだ。
「やぁ、見事に炊けているぞ」
「あら、本当!なんてことでしょう。
こんなことって本当にあるのね」
「これは、もう使い続けるしかないな」
「そうね、新しい炊飯器はしまっておきましょう」
出来たてのご飯から上がる水蒸気と共に、
僕は涙を流した。
神様、ありがとう、
チャンスをくれてありがとう。
お陰で、僕はまたご飯を炊けるようになったよ。
僕はこれからも炊き続けるよ、
いつかは終わりが来るその日まで。
だから新しい炊飯器よ、
せっかく来てもらって悪いが、もう少し待っておくれ。
本当に僕が動けなくなるその日まで。
その時が来たら、バトンタッチだ。
よろしくな。
あ、あと、伝えておく。ライバルはお鍋だぞ。
どうやら、お鍋で炊くご飯は、
何だかとてつもなく美味いらしい。
(炊飯器も焦る!?娘が絶賛したお鍋ご飯のエピソードはこちら)
強敵だ。うかうかできんぞ。
鍋で炊いたご飯に負けてリストラされないよう、
我々炊飯器は日々精進だ。
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我が庭のお花「ガザニア・カナリア」

ガザニアの中でも一番好きな色合いの可愛らしいお花。
今年も冬を越せて良かった!