Hibiscus’s blog

夫と娘との三人暮らし。あずきバーとガーデニングを愛し、日々の徒然や朝ドラの感想を気の向くままに。

生活を守る選択と、胸が痛む理由

 

私は小さなドラッグストアでパートをしている。

 

一年前にオープンしたこのドラッグストアは、

新規オープニングスタッフを募集していた。

渡りに船とばかりに応募し、幸いにも雇ってもらえた。

 

チェーン店ではあるが、店舗数は少ない。.

それでも店長をはじめ、会社の雰囲気はいい。

少し使い古された言い方だが、家族的でアットホームな空気が漂っている。

 

売り上げ拡大のため、さまざまな工夫もしていた。

手書きのポップ、関連商品のおすすめ。

レジ前の動線を考え抜いた商品配置。

相談しやすい店づくり。

地域密着型、常連を増やすための会員特典。

 

努力が実を結んだのか、客足は着実に伸び、売り上げも増えていった。

パートの私でさえ、売り上げに貢献できている気がして嬉しかった。

 

……なのに。

 

ある日、突然それはやって来た。

まるでペリーの黒船襲来のように。

 

そう、誰もが知るあの巨艦ドラッグストアが、

私たちの店の隣の空き店舗にやって来たのだ。

 

スタッフは悲鳴を上げた。

どうやって太刀打ちすればいいのか。

いや、無理だ。

 

店長をはじめスタッフは青くなった。

それでも、全力で立ち向かうしかない。

自分たちの店でできるベストを尽くそう、と誓った。

 

敵情視察に行く。

広大な売り場、圧倒的な品揃え。

オンラインでこれでもかと言わんばかりのクーポン。

そして、こちらよりさらに安い商品。

 

明らかに、隣の小さな店を潰しに来ている。

そう思わずにはいられなかった。

 

……どうしようもない。

パートの私にできるのは、

いつも通り笑顔で、素早く接客することだけだ。

 

やがて、我らが店は支払いが現金オンリーになった。

お客さんは「え?」という顔をする。

少しいたたまれない。

隣のあの店では、クレジットカードが当たり前のように使えるのに。

 

いつまでもつかわからない、この店。

ふと、次のパートのことが頭をよぎる。

家計の足しになる、大切な仕事だ。

いざという時に備え、動いておいた方がいいのかもしれない。

 

好きだったこのドラッグストア。

なんとか持ちこたえてくれるよう、願うばかりである。

 

 

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※これはフィクションです。

※作中の「私」は筆者本人ではありません。

 

ちょっと小説風に書いてみた。

これは、私がいつもいく”巨艦店” の隣にある 

小さなドラッグストアの視点から書いてみた。

 

参考記事

haibisukasu.hatenablog.jp

 

 

この過去の記事では、小さなドラッグストアの隣に出来た、

超大手のドラッグストアの事を書いた。

なんて節操のない、ひどい、そんな思いだったのだが…。

 

気がつけば、私はこの超大手スーパーの常連となっていたのである。

それは、もうシンプルに安いから。

この物価上昇の昨今、

生活するためには家計を守らなければならない。

 

アットホームなドラッグストアもいいが、

そんなに余裕のない家計ならば、

少しでも安い店舗で買いたい、となってしまう。

 

その隣の店舗を見ながら、胸がチクリと痛む。

買ってあげられなくてごめんね、

そんな思いから、この小説仕立ての物語を書いてみた。

 

どうすればいいんだろうね、と答えのない問いを抱えながらも、

そのドラッグストアを通り過ぎて行く日々である。