つい先日、本屋さんに寄った時のこと。
店内で本を見繕っていると、赤いコートを着た年配のご婦人が入って来た。
その赤いコートに目を奪われた。
ウールのような毛触りの分厚い、
少しえんじ色が入った優しい色合いの赤いコート。
この真冬の中、見ているだけで暖まりそうなコート、
それを見た瞬間、
「うわー素敵!」と心の中で叫び、
私もあんなコートを着てみたい、と思った。
今現在私の着ているコートは、黒いダウンジャケットである。
とても利便性のあるコートで重宝している。
利便性、そう使い勝手がいい。
防寒に優れているし、黒いから汚れも目立ちにくい。
ほとんどの服と相性もいい。
この近年、いや大人になってからは、
真冬のコートはほとんど黒、たまにベージュだ。
赤の様なコートを着たことはあっただろうか?
記憶を手繰り寄せてみる。
あ、あった。
赤ではないが、えんじ色のケープのような
おしゃれなコート。
あれは、私が小学校4年生の冬。
お正月の時だった。
なぜか皇居に行ってみたい、と私が母に言った。
それでは行こう、となり出かける準備をした。
その時、母が「このケープを着るといいわ」
と言い、出してきたのが、このえんじ色のそれであった。
えんじ色のケープの下は、確かベルベットのスカートだった
と記憶している。
いつもよりもおしゃれな格好をして出かけた皇居。
二重橋の前でそのえんじ色のケープを着て
はにかみながら母と写真を撮った記憶がある。
母との大事な思い出の一コマ。
冬だけに赤やえんじ色など、鮮やかな色は
記憶に残りやすい。
娘の時はどうだったかな、
と、又記憶を遡ってみる。
娘は赤ちゃんの時の、イチゴだらけのベビー用カバーオールに始まり、
幼少期は、
ピンクピンクピンク、ひたすらピンクとウサギとイチゴ(笑)
イチゴいっぱいのピンクのコート、
白いうさ耳つきのモフモフコート、
実をかじっているリスだらけのフワフワコート。
もう思いきり母のドリーム炸裂だった。
付き合ってくれてありがとう(笑)
そして小学校に入ってからは、もう少し機能的なダッフルコートや
ダウンジャケットになった。
が、バレエに行く時は、
The バレエ少女のような、ピンク又はパープルの
ドレスっぽいコートを着せた。
着せた、ということは、やはり私の一存(笑)だったのだろう。
娘の服に関しては、夫の入る余地なし(笑)
小学校高学年位からは、ごく普通のダウンジャケットが多くなり、
中学生の今は、ますます一般的な中学生が着るダウンコートになった。
私がえんじ色のケープを覚えているように、
娘も何か思い出とエピソードが
後年残っているようになるのかもしれない。
そして、先の書店でみかけた
赤いコートを身にまとったご婦人のように、
私も、いつの日にか落ち着いたら、そんなコートを着てみたい。
機能的な黒いコート優先でなくてもいい時期になったら、
可愛いベレー帽と赤いコートの組み合わせで、
優雅に書店や街を闊歩したいものだ。
いつか、そんな日が来るのを楽しみにしている。