3学期に入り、相も変わらず忙しそうではあるが、楽しそうな娘である。
最近の我が家のリビングでは、頻繁に娘のピアノの音色が響いている。
娘の中学校で、もう少し先に、あるイベントがある。
そのイベントで、娘はピアノ伴奏をする事になったらしい。
後輩と連弾する事になったようで、娘は楽譜とにらめっこしながら練習している。
リビングで練習していた娘に、
「ママ、ちょっといい?」
と呼ばれた。
「右手の後輩ちゃんのパートを担当してくれる?」
との事。
なるほど、その方が練習が捗るもんね。
娘は左手担当になったので、私は右手を弾くことに。
母娘、二人で連弾をするというのもいいものだ。
ん?娘のラストの和音が何かおかしい。
「音、間違っていない?」
「え?あ、本当!ママさすが!」
えっへん、ちょっと(大いに)いい気分(笑)
近年、勉学に関しては、ほぼ娘に追い抜かれた母である。
つい最近、方程式なる存在に見事に打ち砕かれた私。
娘が先生なり私に教授するも、忘却の彼方の存在であった方程式、撃沈!
ああ、プライドズタズタの母であった。
そんな中、ピアノではまだまだ、
「えっへん」顔が出来る貴重なツールである。
いや、ピアノはツールなどと言ってはならない、
美しい音色を響かせる心が豊かになる存在だ。
娘は幼稚園年中の頃からピアノを習い始めた。
私の一存である。
習い始めた理由は、私も幼稚園生の頃から始めた事、
あとやっぱり、女の子はピアノが弾けて欲しい、
発表会でドレスを着ている姿は絶対可愛い!(笑)
など、ごく単純な動機からであった。
こうして近所のピアノ教室で習い始めた娘。
幸い優しい先生は、急かす事なくゆっくりと進めていってくださった。
のんびり穏やかな娘にとって、この教室のポリシーはぴったりだった。
おそらく世間一般より、進度はのんびりだったろう。
が、そのお陰で娘はコツコツとレッスンを続け、
小学6年生の秋まで続ける事が出来た。
それ以降は中学受験が迫って来たので、
さすがにピアノは中断する事になったのである。
そして中学受験終了後も、残念ながらピアノは復帰する事はなかった。
これは娘が決めた。
ただ、娘には中学受験の頃からこう言うようにしておいた。
手がピアノを忘れないように、一日1曲位は弾いておこうね、と。
娘は律儀にそれを守り、ほぼそれを実行していた。
そして中学入学後、音楽も盛んな学校なので、
娘は時折ピアノを弾く機会に恵まれる事があるようになった。
そして、娘はこんな事を口にするようになった。
「あー私、ピアノを習っておいてよかったー」
ピアノを習っていたからこそ、
学校でピアノを弾く場面では弾く事が出来る。
譜面を読み、拍を取り、曲を奏でられる。
習っていたからこそわかる有り難さ、
自ら曲を弾ける楽しさ、豊かな音楽の世界を味わえる、
おそらくそんな事を実感したのだろう。
我が家のリビングで、ピアノの音色が鳴り響いている。
楽しんで弾いている娘の姿、それは幸せな光景である。