今朝、鏡台の前で髪の毛をとかしていた時に、ふと気がついた。
横の髪の毛が耳にかぶさっている!ここまで伸びていたんだ!
ふと気がつけば、いつの間に。
よくぞここまでまた伸びてきてくれた、と嬉しかった。
昨年の今頃は、まだチョロチョロとしか生えていなかったろう。
抗がん剤の威力は大きかった。
そのお蔭で癌は消滅したが、髪も消滅してしまったのだから。
でも、またこうして生えて来て、
どうやら見た目は普通のショートヘアまで来ることが出来た。
段々、真人間になってきたような気分(笑)
さあ、今日は実家に行こう。
母の四十九日だ。
お花を買い、仏壇に供えた。
かつて、この秋位だっただろうか、
母がまだグループホームにいた頃、
ぐりとぐらの絵本を一緒に読んでいた。
その時、
「来年はこの部屋に、ぐりとぐらのカレンダーを飾ろうか」
と言ったら、母はとても嬉しそうだった。
その願いは叶わずだったが、
せめてこの実家にと思い、飾ってみた。
ぐりとぐらのカレンダーの箇所が、
パッと華やいだ感じがする。
母は、「ぐりとぐら」を読むと、
ページをめくる度に「楽しそうね」と
ニコニコしながら言うのが口癖だった。
きっと母も喜んで見ていてくれているだろう。
帰りは二つの神社にお参りすることにした。
地元のそれなりに由緒ある神社だったが、
お正月頃、あまりの大混雑ぶりに人がひくのを待っていた。
自転車を走らせている途中、ふとロウバイが目に留まった。
あ、いつの間に、
ふと気がつけば、つぼみが膨らんでいる。
黄色いボンボンみたいで可愛らしい。

そして神社の境内の上を見上げれば、
ここには、紅梅が咲き誇っていた。

ふと気がつけば、春の気配がする、
今日の暖かい柔らかい陽光の元、春が運ばれてきている。
ガンになろうが、母が旅立とうが、悲しみにくれていようが、
世の中は、いつも通り変わらず動いていく。
そして他の人々の様々な思いも交差しながらも、
それでも世界は変わらずに動いていく。
神社に思いを込めてお参りをした。
帰途、周囲を見回しながら自転車を走らせた。
ふと気がつけば、いろいろな変化がある。
変化に気がつける心のゆとりが、
また芽生えてきたのかもしれない。
そんなことを思いながら、
ふと気がつけば
新しい年がやって来ていた。