今日は、母のいたグループホームに姉と挨拶に行った。
天気もいいから自転車で向かう。
いよいよこのホームに行くのも最後、
そのために通る道も今日で最後か。
このホームには何年も通ったなあ。
帰りに大雨に振られ、全身びしょ濡れになったこともあったなあ。
猛暑の日々、どうやったら暑さをしのいで到着できるか、工夫したこともあったなあ。
物事の最後とは、何とも言えない胸が締め付けられる気持ちになる。
行くのはつらいなあ、母のいたホームに最後の別れを告げるというのは、
母との別れを改めて突き付けられるかのようだ。
しかし、もちろん行かなくてはいけない、
いや行かないなどという選択肢はない。
母のお世話になった人たちに、きちんと挨拶をしたい。
ホームの前に到着すると、もう姉は来ていた。
一緒に建物の入り口に向かうと、ちょうど二人のスタッフと出会った。
その顔はよく知っていた。母のいたフロアでとても親身にお世話をしてくれた人だ。
偶然だったが、出会えて姉も大層喜んでいた。
今日はもう母のいた階には入らずに、
玄関にホームの代表者が来て、そこで挨拶をする予定だったからだ。
他のスタッフは多忙だから、わざわざ階下まで降りては来るのは難しい。
ここで会えなければ、もうその人には挨拶をすることはできなかっただろう。
そして玄関で代表者を待っている間に、
母をお世話してくれた医療スタッフの方にも偶然出会うことが出来た。
母の事をとてもほめてくれた。母は人格者であった、常に穏やかでほほ笑んでいた、
ホームで中々このような人格の人はいないと。
とても惜しんで偲んでくれた。目頭が熱くなった。
代表の方も、とても誠実で信頼できる方であった。
ポーカーフェイスで物事に動じない感じだが、この方には安心できるものがあった。
母の入居から最後までずっと母を任せられて本当に良かった。
深い感謝の意を伝えることが出来た。そしてどうぞお元気で。別れは寂しい。
もう本当にこれで、ここともお別れなんだ、とこみ上げてくるものがあった。
代表者に別れを告げて、建物を出たが、そこで姉と色々話した。
話すことが山積していて、話しは尽きることがない。
そうこうしているうちに、一人のスタッフが建物から出てきた。
なんとというべきか、母の階のやはり母が大変お世話になったスタッフの方だった。
姉と二人で、そのスタッフの方と出会えたことを喜び、挨拶をする。
さらにその後、今度はホームの入居者が、車椅子で出てきた。
なんと!その方は、やはり母と同じ階の入居者で、母と親しかった方だった。
どうやら骨折をしたため、これから病院へ行くらしい。
大変な事ではあったが、そのために姉と私は、その母の友人に会い、
挨拶をすることが出来た。どうぞお元気になられますように。
姉と私は、この次から次へ重なる偶然の出会いに驚き、喜んだ。
こんなことってあるんだね、と、姉と私は口にはしなかったが、
共に感じるものがあった。
何か不思議な力というか、縁を感じた。母の力で皆を会わせてくれたのだろうか。
皆母の事を知っている人々にほとんど会えるなんて、本当に良かった。
母よ、このホームで母のことをよくしてくれた人達に挨拶することが出来たよ。
本当にいい場所だったね。ここで最後まで過ごせて本当に良かった。
後は、安らかに眠ってね。