今日も快晴のいい一日だった。
そろそろイチョウの葉もだいぶ落ちて、本物の冬支度に入って来た。
今年は、ことのほか紅葉の鮮やかさが目に染みた。
くっきりとした青空に、黄金色に輝くイチョウの葉。
母の旅立ちの頃とちょうど重なったこの光景。
この風景の中を何度も往来した。母の様々な出来事を背負いながら。
これは、母の事を思い出す度にきっと目に浮かぶ光景になるだろう。
さて娘の学校は、いよいよ明日で今学期も終わりだ。
娘は帰宅後、「今日の卵焼き(カニカマ入り)美味しかったよー」
と言い、ちょっと遠慮がちに、
「明日の卵焼き、ハム入りがいいな」と言った。
「あと、ほうれん草に入っているしらす干し、明日は抜いてくれる?」
こんなに注文をつけるのも珍しい。
しかし、私は「そうだねー」と言って、その通りにした。
なぜなら明日は、学期の最終日だからだ。
ちょっと特別感を出したい、と言う気持ちもわかる。
そういえば終業日は特別な日、食事も特別に、というのを意識したのは、
こちらの小説かもしれない。

中学一年の国語の教科書で、この「しろばんば」の一部、「赤い実」というタイトルで
掲載された話である。
とても気になった物語だったので、当時図書館で「しろばんば」を借りて
読んだものだ。今でもよく覚えている。
少年物の物語として非常に優れものである。
その中で、主人公である小学生の洪作の終業式のエピソードがある。
学校から帰って来ると、洪作と暮らしている、おぬい婆さんが、
カレーライスを作って待っているというものだ。
牛肉と大根の入ったカレーである。
当時大正初期に、しかも伊豆の田舎でカレーライスというのは
相当画期的だったのではないだろうか。
それを読んだ当時、
「えー、カレーライスに大根?変なの」と思ったが、
とにかく、終業式に特別なご馳走を用意して待っているという儀式?
が非常に鮮明で頭に刷り込まれた。
と、いう訳で、我が家も学期最終日は特別感を出すのは大いに結構である。
娘には内緒で娘の好物、たらこの煮物も作った(すぐ発見され狂喜していた)
あとフライドポテト、そしておやつに手作りシュトーレン。
最終日だものね、豪華に、そして娘の好物をバシバシ入れなきゃね。
ちなみに、「しろばんば」では、確かカレーを食べながら、
おぬい婆さんが洪作の通知表を見て激怒するくだりがある。
「洪ちゃが二番?なぜ一番でないのだ!」
と言って、学校に乗り込んで文句を言おうとする騒動だ。
我が娘校は二学期制のため、明日は通知表はない。
だから、洪ちゃのような大騒動にはならない。(そもそも順位はつけない学校だ)
三学期は通知表があるが、さすがにそんな騒動はないだろう。
学校が大好きな娘は、「もう2学期が終わってしまう、早すぎるよ~」
と嘆きながらもニコニコしている。
この学校に行けてよかった、と親子共に実感している。